「僕のピアノコンチェルト」

ブルーノ・ガンツがおじいちゃん役でっせ。
歳を考えればおかしくもなんともない話だが、人間の女性に恋をしたあの天使のダミエルがねえと思う。

物語は天才少年が生きる道を見出していく話。

ジョディ・フォスターが監督した「リトルマン・テイト」みたいな話だとちょっとつらいなあと思いながら見ていたが、そんなことはなかった。天才として生まれてきたヴィートにはそばにいて優しく見守ってくれるおじいちゃんの存在があった。「どうしたらいいのか選択に迷ったら大事なものを捨ててみるといい」というおじいちゃんのアドバイスで大事なものを捨てる。そうやって見つけ出した僕の生きる道

見ている我々に不安感を与えない映画だった。皮肉屋のヴィートの存在がこの子なら大丈夫という安心感を与えるのだろうか。それとも、押し付けがましくない愛情がこの家族にそこはかとなく漂っているからなのか。技術バカの父親と子供に過度な期待をかける母親。この夫婦は天才の息子をもてあましてはいるが、大事にしているし、愛している。そんな息子夫婦と孫のヴィートを慈しむのがブルーノ・ガンツ演じるおじいちゃん。「わしの服が気に入らんのならパーティに招待なんかしなきゃいい」と言う一方で、息子の会社の愚痴をただただ聞いてあげたりする。

見終わった感想が上手くできたホームドラマを見たなあ、という感想なのだ。


それと母親にちょっと感情移入&同情した。
あるがままの子供を受け入れるというのは、難しいのだ。
親は子供に、どんな子供であっても期待するもの。