アメノナカノ青空

アメノナカノ青空 スタンダード版

もうすぐ逝ってしまう娘と逝ってしまう娘を思う母の話。
お互いを思うやさしい言葉がちりばめられていて、せりふがひとつひとつ凝っているのだけど、嫌味じゃなくて、ユーモアの後にちょっと哀しくなる。

たとえば

ミナ(娘)には手に奇形があって、ずっと白い手袋をしているのだが、
買い物帰りの駐車場で母親に聞く。
「私の手のような奇形は生まれる前にわかるから中絶する人が多いのに、お母さんはなんで私を生んだの?」
母親は、
「聞かれたから話すけど、本当はこんなところで(駐車場)で話したくはないんだけど。あなたの本当のお父さんは死んだおとうさんじゃなくて、あたなと同じ手をした宇宙人なの」と応える。

その後、母親が
「信じたでしょ?30秒はこの話、信じたでしょ」とミナに言うと、
ミナが、しぶしぶ
「3秒だけ信じた・・・」と。

残された時間を母親のためにも幸せに過ごしたいと思うミナと、ミナに残された時間をすこしでも幸せにすごさせたいと願う母親の気持ちがやさしく静かに描かれていてキレイすぎるくらいキレイな映画だった。

それにしてもゴールデンウィークだというのに、TSUTAYAは満員御礼。
世の中出かけない人のほうが多いと思うのだが。