*[本]「カシコギ」

カシコギ

カシコギ

ドラマばかり見て最近は本を読むことを忘れていた。

カシコギは魚で、カシコギのオスは、メスが産み捨てた稚魚を育て、子供が成長すると自分は死んでしまうとのこと。それが普通の死に方ではなく、岩に頭を突っ込んで死ぬという壮絶さ。


タイトルから分るように父親と息子の話で、白血病の息子を懸命に看護する父親、そして最後は・・・という話。もちろんドラマにもなり当時(2001年)には「カシコギ・シンドローム」という社会現象もおこったとのこと。ドラマは泣かせるだろうなぁと想像がつく。もちろん原作もかなり泣かせる。ベタといえばベタな話だった。


翻訳が上手いせいか翻訳本独特の読みにくさがなく違和感は全くなかったし、時々語られる父親の子供に対する考えに共感することも多かったのだ。


その一つが、
息子タウムには彫刻の才能があり、その才能を伸ばそうとする元妻とその現夫に語る父親の言葉。
「その必要はありません。大切なのは本人の選択ですから。子どもが自分で選択する能力ができる前にそれをやるのは単なる強要でしょう。親の欲から子どもを苦しめたくはありません」と。


実はこの本を読む前に見たドラマ「花より美しく」の中で、やっぱり母親が娘に
「この世で一番悪い親は子どもを思い通りにする親だ」というセリフがあって、それとかぶってしまったのだが。


韓ドラを見ていると、親の力がまだまだ強力で、かなり親は自分の子どもに口を挟んでいるように思えるのだが、それとはずいぶん違うじゃないか?と思うのだが。。。。どうだろう。


ええ、私はこの二人の父親、母親にかなり共感したのだ。