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最近この手の本ばかり読んでいる。
夏休み初日に実の父親にユーカイされたハルとそのチチの旅の話。
映画ならロードムービー。
これは相当なダメ父の存在を受け入れるハルの成長物語ということもできるけれど、実は、かなり厳しい話でもある。
人間はどんなに他人と触れ合い、つながっていても、結局は一人なんだと、孤独なものなんだということや、甘えるな、自分を甘やかすなということもきっちり言っている。
でも、生きていくうえでの気持ちの持っていきかた、うまくいえないが、気持ちの整理の仕方、ポジティブになれる方向も示唆してくれる。
うまいなあ。
ハルの叔母さんにあたるゆうこのことばが印象的。
ゆうこはハルの母親である自分の姉やハルのおばあちゃんである自分の母親が大嫌いで、自分がどうしてこんな家にうまれたんだろうってずっと思っていた。どうして自分の母親や兄弟は自分で選べないのかと思っていた。友達や、食べ物や、服だって選べるのに、家族だけは選べない。
今も嫌いなの?というハルに聞かれたときのゆうこの返事。
「嫌いじゃない、それほど」
なんで?ともう一度聞くと
「他にすごく好きな人ができたから。ほかのすごく大事なことを選べるようになると、選べなかったことなんかどうでもよくなっちゃうの、きらいなら忘れちゃってもいいんだし、好きならいっしょにいてもいいんだし、それくらいどうでもよくなって考えてみると、それほどきらいでもないってことがわかったから。」