不思議な読後感。


ブランコがとても上手で、動物の言いたいことが心でわかる弟。
そんな弟をとっても大事にしているおねえちゃん。画家のお母さんに額縁を作っているお父さん。それと身体の半分に毛がはえていない犬の「指の音」。唯一現実的なおばあちゃん。
そんな家族の話と、弟が書いた話、ぶらんこのりや動物から聞いた話が交互に挿入されて、ファンタジーのようでもあり、ロマンチックでもあり、時には残酷すぎるほどの話。


現実的すぎて最初はあまり魅力を感じなかったおばあちゃんが、最後はものすごくかっこいい。幼い姉弟を支える肝っ玉おばあちゃんで、ちゃんと地に足がついているのだ。ファンタジーのようでいて、そうでないのは、おばあちゃんの存在が物語り全体をしっかり支えているからだと思う。


弟が動物から聞いたお話がぶっとんでいて面白くて、残酷。