『クレールの刺繍』


クレールの刺繍 [DVD]

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つくづくこういう映画が私は好きなんだと思った。
でも久しぶりに見たなあ。
なんせ、最近韓国映画以外はあんまり見ないから。


17歳で未婚の母になろうとしているクレールと最近息子を事故で亡くしたばかりの刺繍職人の女性が刺繍を通してお互いを認め合って新しい人生に静かに踏み出していくという話なのだが、これが私の職人への憧れというツボをつきまくるのだ。


クレールは妊娠を周りには隠したままで黙って出産して養子にだそうと考えていて、男に金を出せというのでもなく、責任をとれというのでもなく、淡々とひとりで生計をたて(そういうふうに見える)ながら好きな刺繍をしている、17歳なのに。お腹が目だち始めるとスーパーの仕事をやめ、刺繍家のアトリエに仕事をさせてもらえないかと頼みにいく。アトリエが出産を控えたクレールの隠れ家にもなるから。刺繍家は息子も亡くしてずっと引きこもったままの状況。年齢はかなり離れていふたりだけれど、二人とも人生仕切りなおすというか、これからどうするのか、この先の人生をどう生きるかを余儀なくされているという状況は同じ。



周りとは(世間)最小限のかかわりだけで大半を自分の世界の中だけに住み、刺繍という仕事を淡々と、一針一針進めていくそんな二人の時間を画面でただ淡々と見ることが、なぜだか私の気持ちを高揚させる。


昔からの憧れなのだ。自分にはないものだけど、こういう職人的生活をすることを小学生のころからあこがれていたから。