バーボン入りコーヒー

「過去からの弔鐘」(The Sins of the Fathers)


この頃のスカダーはバーボン入りのコーヒーを飲んでいる。
アームストロングの店のトリナとの会話では
「コーヒーとお酒。なんだか変は取り合わせね」
「そうかね」
「お酒は人を酔わせるもので、コーヒーは人を素面にするものだもの」
「コーヒーは人を素面にするものじゃないよ。コーヒーは人をただ目覚めさせるだけさ。だから酔っ払いにコーヒーを与えれば、それはよく目覚めた酔っ払いができあがるだけだよ」
「それがあなたなの、マット?よく目覚めた酔っ払いというのが?」
「私はそのどちらでもないよ、だから飲んでいるのさ」
と。

その頃から十分の一教区税をしている。

エレインは一度だけ登場。

原題は「父親たちの罪」
娘を殺された父親とその犯人として独房で自殺した息子の父親。
二人の父親。

ヴィレッジで娼婦が殺され、その犯人として同居していた男が逮捕された。その男は独房で自殺。スカダーの元に来る前に事件は終わっていた。

「私は娘がなぜ殺されたのか知りたいんだ。娘とは3年のブランクがあったんだ。私にとって事件はまだ終わっていない」という父親の依頼(スカダーいわく依頼人の便宜をはかってやっている)を受ける。

?年ぶりに読み返してみて分かったことだが、スカダーシリーズ最初の仕事がすでに終わっている事件を扱っていたというのはアル中探偵スカダーとしては自然なスタートに思える。いまさらながらローレンス・ブロック、すばらしい。