「かもめ食堂」


かもめ食堂のサチエさんは人生の達人である。


何故サチエさんを人生の達人なのか。
1)お客が一人も来なくてもあせらない。
2)日本人が朝食でごはんと味噌汁と一緒に食べたい魚は「鮭」だから「鮭」の好きなフィンランド人は日本食をきっと美味しいと思う、と確信している。
3)ガイドブックに「日本食レストラン」として載せたりしてお客さんにきてもらおうと思わない。
4)フィンランド人の好きなニシンやザリガニ、トナカイをアレンジしてフィンランド人カスタマイズのおにぎりなんかを作ろうとしない。あくまでの梅、しゃけ、おかかのおにぎりにこだわる。
5)かもめ食堂の最初のお客さんの日本かぶれニャロメのお兄ちゃんは永遠にコーヒーは無料である。
6)マサコさんに「いいわねえ、好きなことをしていて」といわれたときの答えは
「いやなことをしないだけなんですよ」と。
7)日本人のソウルフードはおにぎりだと信じているところ。
8)シナモンロールを上手につくれる。
9)合気道の達人でもある。
7)そして泳げる。


「いやなことをしないだけなんですよ」


サチエさんはいい女である。


サチエとミドリとマサコの3人がおにぎりをつくるシーンはいい。
手をぬらして、塩を手に取って、ご飯を手にのせ、具を入れて、それから握って、海苔を巻く。
この動作を3人がそれぞれのペースでやるのだから三人の手がテーブルの上を交差する。
それがなんとも自然で。実際の生活でも何人かでおにぎりを作るってことはあるでしょ。
そんな時、こんな状態になる。子どもと一緒に作るときも。いいなあ。こういうシーンを作れることが素晴らしい。


かもめ食堂のプラスアルファといえば、ヨダレ物の北欧家具や雑貨の数々。
私なんぞは食堂のテーブルとイスを見ているだけで幸せになれる。
アアルトのテーブルとイスにイッタラの食器。
コレ

と、これ

マリメッコももちろんだけど。