パイの物語

パイの物語

パイの物語


16歳の少年とベンガルトラが救命ボートで漂流する、
えっ、どうなるの?
そんな単純な興味から読み始めた本ですが、
かなりの衝撃が残りました。


かなりトリッキーな構成です。やられました。


3部にきっちりわかれています。


1部はインドでの話。
主人公一家はインドで動物園を経営しており、それなりに成功していたが、政情がかわり動物園をたたみカナダに移住することになる。アメリカの動物園に移す動物たちと一緒に日本の貨物船にのって太平洋を横断するが、貨物船が沈没し遭難する。


そして2部がベンガルトラとの漂流の物語。
一人生き残ったパイ少年とベンガルトラのリチャード・パーカーの7ヶ月にもおよぶ漂流。
2部は読ませます。面白いです。
どうやってベンガルトラと共存するのか。


実は1部でパイ少年は動物園経営の父親から動物の生態についてよーく学んでいます。それが2部でいきてきます。そして、1部で執拗に語られた少年の神への熱意(ヒンズー教イスラム教、キリスト教の3つの神に入信する)神を愛したいという熱意が2部から3部にかけての伏線になっています。


3部は生還した少年へ日本人がインタビューします。少年が遭難した日本の貨物船の事故調査の日本人からインタビューをされます。少年はトラとの漂流生活を語りますが、そんな話は信じられない、と日本人は思います。じゃあ、どんな話なら信じるのですか、こんな話ですか、と、少年が語るもうひとつの話。


この3部をどうとるのかで、この物語の様相が変わってきます。
私は。。。。


映画化されるそうです。
どう解釈するのか興味があります。