「犬とオオカミの時間」

もうだいぶ前に見終わったのだけれどちょっとメモ。
つっこみどころもそれなりにあるし、メロの部分は中途半端だったけれど、最後まで面白かった。
主人公(ヒーロー、ヒロイン)だけの力で引っ張るドラマもいいが、私はこのドラマや「復活」のように脇のアジョッシたちが活躍するドラマに惹かれることがよくわかった。最近、この手のドラマをよくみているからか。(だから、ユン・ソクホは苦手)

「ケヌクシ」(韓国のこの手の略語化は面白い。(ケ(犬)ワ(と)ヌクテ(オオカミ)エ(の)シガン(時間)の頭だけをくっつけたもの)

ケヌクシも最後にはそれぞれのアジョッシたちに人生の落とし前をきっちりつけさせたところが気に入っている。かっちょええ。ちょっと仁侠映画につながるものがあるのか。
特にロードランナー。金で動き、軽く飄々としているように見えて、最後にはスヒョンの母の死の責任をとる形でスヒョンの命を救う。ミンギの父(カン室長)がスヒョン母の死の責任をとってスヒョンを実の子のように育てたように。そして最後までスヒョンのことを心配して死んでいく。マオも結局は自分のしてきたことの落とし前をつけて死んでいく。

もうひとつの面白さは
「アンダーカバーの最中にその本人が記憶を失ってしまったら」というアイディア。
ただでさえ他人の人生を送っているその本人が、さらに記憶を失ってしまったら。
そしてその彼をアンダーカバーとして送り出した方の苦悩。それから、アンダーカバーだという事実を知っている人が死んでしまったら、彼の人生はどうなるのか。そんなことを考えながら見ていると、見ているほうも追い込まれた感じになってくる。
記憶を失ったスヒョンが自分の育ての親が目の前で殺されているのを冷静に見ている。じゃあ、記憶が戻ったときにスヒョンがそれをどう思うのか、と思わざるを得ないから。

なんだかんだいいながら、とっても面白かった。
ストーリー展開もスピーディで、アクションに走りすぎず、主人公、脇役を追い込んでいくスタイルはまったくもって好み。でも、恋愛の部分がいまいちすぎて、そこがもったいない。