「のだめ」と「クローネンバーグ」

のだめカンタービレ」相変わらず面白い。
千秋とのだめカップルの距離感が絶妙によろしくて、その上選曲もよい(このドラマで聞くクラシックはなんか別物のように楽しい)、進路問題ではそれぞれ凹むけれどお互いに寄りかからずに解決するところはよかったなあ。俺様千秋があんまりにもかっこいいんで、鹿のドラマも見てしまうかもしれん。


そんな、ええ気持ちになっているところに、オットが「今から映画見る」と言い出すから「どうぞ」と言ったはいいが、どうもそれは「一緒に見る」という意味だったらしく、12時過ぎから映画を見ることになってしまった。えっちらとスクリーンを設置してみた映画が「イースタン・プロミス」。



日本での公開の8月まで待てないから英語字幕を見るが、とのこと。
ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続いて主役はヴィゴ・モーテンセンだった。


助産婦をしているアーニャの病院に担ぎ込まれた14歳の少女が赤ん坊を産んで死んでしまう。訳ありな少女の赤ん坊をアーニャはどうしても少女の親や親戚に託したいと願い、少女の持っていたロシア語で書かれた日記を頼りに少女の住所を探ろうとするのだが、ロシア語がわからないので、ロシア料理店のオーナーに翻訳してもらえないかと頼みに行く。彼こそがロシアマフィアのドンとも知らずに。そのドンの息子の運転手をしているのがニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)で、少女の死はマフィアと関係があり、アーニャは巻き込まれていくというストーリー。


少女が日記がナレーションになっていて、彼女の夢や希望が無残に打ち砕かれていく過程から真実にどんどん近づいて行く形になっていた。マフィアとの闘いなのだが、そういう派手さはなく、実は淡々と進んでいくのがクローネンバーグ風といえばそうなのかも知れない。


ナイフで首を切るシーンが2回も出てくるが、これがなんというか、そこまで見せんでもいいんだけどというくらいしつこくて、きわめつけは、サウナでのニコライの素っ裸での乱闘シーン。これ本当にオールヌードなのでもちろんアレは見えます。動きまわるので結構目が追ってしまうんです。かなり見ごたえあります。しかもナイフで切られ、刺され、もろ「痛い」という感覚に襲われます。


最後はあっというオチもあり、えっというラストにもなるのですが、私にはそのラストはちょっと物足りないというか、もうひとオチないと落ち着かんと思うのだが、オットに言わせると、「これは、ヒストリー・オブ・バイオレンス」の序章、というか前半部分だからこれでいいのだ。イースタン・プロミスとヒストリーで完結する」んだそうな。


しかし、今回のヴィゴ・モーテンセンエド・ハリスにかなり似てきていると思った。